安尾 しのぶ
|
 |
図1) |
|
【 研究概要 】
【概要】
冬季にうつ病を発症する季節性感情障害(冬季うつ病)のモデルとなりうるマウス系統を初めて見出し、メカニズムの解明や栄養による改善を試みている。これまでに、うつ・不安様行動を調節できるタンパク質の同定や、光療法の効果を強める栄養素の同定に成功している。
<意義・必要性>
冬季うつ病は、日の短くなる秋から冬にかけて抑うつや過食、過眠、炭水化物渇望などを示す気分障害である。従来、適切な動物が確立されておらず、メカニズムの解明や新規治療法の探索が困難であった
<手法>
従来、マウスは周年繁殖動物のため季節リズムの研究に不向きと考えられてきたが、C57BL/6Jマウスの情動行動や脳内セロトニン系は日長に強く反応することを明らかにした。脳機能と連関して、グルココルチコイド分泌や脂肪・筋肉代謝、血漿中代謝物にも広範な日長反応性が見られた。このマウスをモデル動物として、メカニズムの解明や栄養による症状改善を目指している。
【シーズの優位性】
・スタンダードな系統であるC57BL/6Jマウスをモデルとして使用可能。
・C57BL/6Jの遺伝的背景で作出されたノックアウト動物を用いた研究が可能。
・脳–末梢連関に基づいて、末梢機能を調節する栄養素により、冬季うつの改善を図れる可能性。
・短日条件におけるうつ・不安様行動を改善できるタンパク質や、光療法の効果を強める栄養素を同定済。
【シーズの応用可能性】
・冬季うつ病の新規治療・予防法の探索
・季節に応じて適した栄養を摂取する「季節栄養学」の発展
・生体の季節周期を利用した家畜の生産性向上、肉質制御
・家畜における冬季のストレス軽減に着目したアニマルウェルフェア向上
【 ファイルダウンロード 】
添付ファイル1
【 関連キーワード 】
冬季うつ病
| マウスモデル
| セロトニン
| グルココルチコイド
| 代謝
【 関連URL 】
http://www.agr.kyushu-u.ac.jp/lab/lrmb/
|
|