鬼倉 徳雄
|
 |
図1) |
|
【 研究概要 】
【概要】
数値地図情報(標高・勾配など)等を使って、九州北部地域における淡水魚類の潜在分布の予測が可能となった。予測値を使うことで、自然再生や漁場再生に数値目標を設定でき、また、事業後の効果の検証も可能となる。
<意義・必要性>
生物多様性保全と自然再生、水産資源の持続的利用と漁場再生の実現のためには、過去の生物分布情報が必要であるが、かつての情報は限られている。そのため、その場所に本来生息すべき生物の見積もりが必要である。
<手法>
河川性魚類については河川勾配と水系規模、氾濫原性魚類については標高・地形勾配・土地利用等のGIS情報で、各魚種の潜在分布を予測するモデルを開発した。これにより、著しい環境の改変が行われた場所でも、「かつて恐らく生息していた種」を推定可能となった。
【シーズの優位性】
対象地域の生物地理情報を加味することで、現在の予測可能範囲外の地域についても適用の可能性あり。希少種・重要種の生息地について最適な保全地・再生地の推定が可能。
【シーズの応用可能性】
1.野外調査に基づく実測値と照らし合わせることで、より効果的、戦略的な自然保護・漁場再生施策の提案が可能。以下、想定される具体的な例。
→ 種多様性を重視
「予測種数 > 実測種数」 ⇒ 自然再生・漁場再生の実施
「予測種数 <= 実測種数」 ⇒ 保全・保護・資源管理の実施
→ 特定の生物種を重視した場合
「予測で在 > 実測で不在」 ⇒ 自然再生・漁場再生の実施
「予測で在 < 実測で在」 ⇒ 保全・保護・資源管理の実施
2.また、同様のアプローチで、事業後の効果の検証にも応用可能!
→ 重要種の生息範囲として「在の地点数」に注目
「予測地点数 > 事業後の実測地点数」 ⇒ 事業の効果は小
「予測地点数 <= 事業後の実測地点数」 ⇒ 事業の効果は大
【 ファイルダウンロード 】
添付ファイル1
【 関連キーワード 】
淡水魚類
| 分布モデル
| 希少種
| 保全
| 保護
| 再生
【 関連URL 】
http://www.agr.kyushu-u.ac.jp/lab/jikkensho/onikurafield/onikura-top.html
|
|